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2022/06/06

日機装 深紫外線LED 開発の歴史-2

ノーベル賞受賞者と歩んだ研究開発の道―「深紫外線LED」開発ストーリー(2

この記事では、私たち日機装が「深紫外線LED」の開発に取り組んだ歴史をご紹介します。
日機装は、『ノーベル物理学賞』を受賞された赤﨑先生、天野先生との共同研究により、深紫外線LEDの量産化に乗り出します。その道のりはとても長く、技術者としてのプライドを懸けた時間でもありました。

深紫外線LEDの量産化に向け、研究開発がスタート

日機装は2006年、名城大学発のベンチャー企業「創光科学株式会社」を立ち上げます。若手研究者2名を天野先生のもとに送り込み、ここを基点に深紫外線LEDの量産化に向けた研究開発をスタートしました。

この時点で、すでにLEDの要となる結晶づくりに成功していた天野先生ですが、良好な結晶のサイズは非常に小さく、LEDの素子が数個できるかどうか。製品化にこぎつけるには良好な結晶ができる領域を大きくし、性能が同等のものを、1,000個、1万個とムラなく大量につくる技術が必要です。

紫外線を発光させるための窒化物半導体には波長が短く(発光するエネルギーが高く)なるにつれ結晶も硬くなるという性質がありますが、これは原子を均整に配列することの難しさを意味します。それならば、原子が活発に動ける環境をつくり、きれいに並びやすくしてはどうかと結晶を生成する窯の温度を高くするのですが、ヒーターやガス配管の材質が変われば、条件も変わります。仮に1,000個をつくり出せたとしても、次に1万個をつくろうとしたら、また異なるレシピが必要になるなど、製造条件設定は非常に難しく、結晶づくりはまさに“職人技”の領域です。

たくさんのトライ&エラーから生まれた、製品量産化の糸口

このように多くの課題をクリアしながら大量かつ高品質なLEDの結晶をつくるという目標を前に、若き研究員が取った行動は、地道な研究と試行錯誤でした。最適な条件を探り当てるため、一つひとつの条件を慎重に変えながらたくさんあるファクターをていねいに確認していくこのサイクルは、日々何千回と続きます。途方もない道のりですが、研究員たちは「これまでの赤﨑先生・天野先生の研究によって、深紫外線LEDが光ることは実証されている。条件さえ合えば、必ず光る」という思いのもと、前向きに取り組みます。

この努力が実を結び、深紫外線LEDが初めて光ったのは2008年。スタートからすでに3年近くが経っていました。しかし、この時点でつかんだのは、量産化に向けた糸口だけ。画一的なクオリティが担保された実用化レベルに至るまでには、ここからさらに4年の年月を必要としました。

 

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